「難易度が高い」という表現を,最近よく見かける.
どうもこれが気に入らない.「難易度が高い」とは,「難しい」という意味のようだ.ならばそんな仰々しい言い方をしなくても,「難しい」と言えばよいではないか.
せめて「難度が高い」と言えば,これは「温度が高い」と同じで,「難しい」の意味だと納得できる.だが,「難易度が高い」では,「難」の度合いが高いのか,「易」の度合いが高いのか,どちらなのだろうか.「よくわからない」とまでは言わないが,「『難』の度合いが高い」と言い切ることまではできないと思う.
これがもし「温冷度が高い」だったら,熱いのか冷たいのか,はっきり言い切れるだろうか.以前「熱と『冷気』」という記事でもふれたように,「熱いほうがエネルギーが高いから,『高い』は『熱い』に決まっている」というかもしれない.
だが,私のフィンランドについてのサイトの「15度のpakkanen」という記事で書いたように,フィンランド語では「(氷点下で)どんどん冷え込む」ことを「pakkanenが上がる」という.「寒さが上がる」こともあるのだ.
やはり,「難易度が高い」というあいまいな表現は,やめたほうがいいと思うのだが.
(05. 1. 24)