中高生のころ，大阪のテレビに横山やすし・西川きよし司会の「プロポーズ大作戦」という視聴者参加番組があり，この番組の中に「フィーリングカップル５対５」というコーナーがあった．これは「集団見合い」をゲームにしたもので，男性５人のグループと女性５人のグループが出てきて向かい合わせに並んで座る．そして，男性の一人が質問して女性がそれぞれ答え，今度は女性の一人が質問して男性がそれぞれ答える，ということを繰り返す．最後に，全員が意中の異性の番号のボタンを押し，互いに相手の番号を押している男女の組ができればカップル成立となる．
ある回の放送で，女性から「デート中にチンピラに絡まれました．さてあなたはどうしますか？」という質問に対して，ある男性が「僕の知り合いに，フナダさんがいるんですよね〜」と答えた．
このころ，「フナダさん」といえば，それは作新学院理事長で衆議院議長を務めた船田中氏のことであった．当時，江川卓投手が裏技を使ってジャイアンツに入団した，いわゆる「江川問題」が記憶に新しく，船田氏は江川投手の後見人として一般にもよく知られていた．この男性は，有力政治家の船田氏とコネがあることを自慢したかったのだろう．なんとなく白けた気分が流れた．
ところが，それを察したのかどうなのか，司会の横山やすし氏が
「誰やそれ？？！！」
と一喝してしまった．唖然となったその男性は小さくなって「あやまって逃げます」と小声で言うのがせいいっぱいであった．その後，男性側が答える場面は一度も画面に出なかった．
今度プロ野球に参入する「楽天」を見ていて，この話を思い出した．
子供のころは，ふつうの男の子と同じくプロ野球をよく見ていて，とくに阪急ブレーブスが好きだったのだが，それもとうとう完全に歴史のかなたに消えてしまった．加えてオリンピックでの体たらく，もう当分プロ野球は見る気がしない．
(04. 12. 14)
[06. 1. 24追記] 「楽天」とプロ野球参入を争った「ホリエモン」が，逮捕されてしまいました．「フナダさん」を味方につけない人の結末は，こんなふうになってしまうのでしょうか．
「ルールとモラル」という記事もご参照ください．