先日,大学からの帰り道に乗った高速バスが,高速道路に入ったとたんに事故渋滞に巻き込まれてしまった.携帯電話で道路情報を確認すると,トラックが壁に衝突したということであった.
高速道路はずっとノロノロ運転で,事故現場まであと何キロかもわからないので,目的地にいつ到着できるかもわからなかった.すると,ひとりの客が運転手に「トイレに行きたいので,パーキングエリアに止めてほしい」と要望し,パーキングエリアで臨時停車することになった.
数人の客がトイレに降りて行き,しばらくして戻ってきたが,運転手が客の数を数えてみると,一人だけ戻ってきていなかった.運転手が様子をみようと外に出かけたところ,一人の中年女性が,売店で食べ物を買って戻ってきた.さすがに運転手は「お客さん,そういうことはしないでいただけませんか.(この路線には)本当は休憩なんかないんですよ」と注意していたが,この女性は顔を伏せて「はい」といって通り過ぎただけで,あまり迷惑をかけたという自覚はなさそうだった.
こういうのは,いかにも「オバサン的迷惑」という感じがする.他の客の迷惑や,バスにもどってきたときの周りの視線のことには考えも及ばず,「悪いと思っていない」のだ.これが「オジサン的迷惑」だとどうだろう.おそらく,運転手に注意されたら「いいじゃないかちょっとくらい」と逆切れする,つまり「悪いとわかっていて開き直る」ということになるのではないだろうか.
どっちにしても,迷惑なことにはかわりはない.ただ,自分のことを考えてどちらが「人のふり見てわがふり直せ」かというと,私は男だが,「オバサン的迷惑」のほうではないかと思う.「社交が苦手」という記事も書いたが,他人がどう思っているかを推測して行動する,というのは昔から苦手だった.
なお,そのときの渋滞はパーキングエリアから3キロほど先で解消しており,事故現場もすでに片付けられていた.渋滞が解消した地点からは普通に走れば10分ほどでバス停に停車するので,結果的にトイレ休憩は必要なかったことになる.そのときは先のことはわからないのだから,しかたないことなのだが,「道路情報システム」がもっと発達してくれればと思う.
(04. 8. 24)