「私,配る!」

「私,踊る!」「私,配る!」

先日まで放送していた,消費者金融「武富士」の広告である.会社の本業はいったい何なのかと考えてしまうが,全国の街頭で配布されている宣伝用ティッシュのうち,武富士のものはかなりの割合を占めるということは聞いたことがある.

街頭のティッシュやビラ配りには,通行の邪魔になるといった苦情も多い.この手の街頭での配布宣伝の中で,私が格段に鬱陶しいと感じるのが,「ヤフーBB」のモデム配布である.なぜそんなに鬱陶しいのか,配っている物が大きいからということもあるが,最大の理由は「断わらなければならない」からだ.

別に武富士に用がなくてもティッシュは使える.ティッシュのついてないビラでも,ビラに書いてあることを読めば,新規開店だとか売り出しとかそれなりに情報が手に入るし,その情報が自分にとって価値がなければビラを捨てればよい.

だが,モデムをもらって,一読して捨てるわけにはいかない(試したことはないが,たぶんそうだろう).だから,契約する気がなければ必ず断わらなければならない.他人の申し出を断わるのはそもそもあまり気分のいいものではないし,心理的にはわずかながらでもストレスになる.

これは,大学生のとき毎日駅で出会った「アンケートお願いします」と近寄ってくる宗教団体や,あるいは今職場にしょっちゅうかかってくる宣伝の電話と同じである.最近はそういう電話は無言で切ってしまうことにしているが,切った後10秒くらいはやはり気分がよくなく,仕事が途切れてしまう.

先日,広島駅前でモデムを持って近づいて来た男に「あっち行って」と言ってやったら,「なんだよ馬鹿野郎」と悪態をつかれた.馬鹿野郎と言ってやりたいのはこっちのほうである.

(03. 12. 1)