胃カメラ

正月明けから,胃の具合が悪かった.胃が痛いというわけではないが,どうも重いというか,違和感があった.そこで,意を決して,胃カメラ検診を受けた.

私は喉のあたりが敏感なようで,歯の治療や,あるいは奥歯を磨く程度でも気持ちが悪くなって苦労している.そこで,今まで人間ドックの時でも胃カメラ検診は受けず,X線胃透視を選んでいた.だから,今回はかなり緊張して臨んだが,医師の腕も良かったのか,それほど苦労もなくあっさりと検査は終わった.

今の胃カメラはデジタル方式で,検査の直後に,画面で胃の中の様子を見ながら,医師に説明を受けることができる.自分の腹の中を見るのは生まれて初めてだった.

自分の胃の壁は,ヘンな話だが,ツルツルとして艶やかで,実に美しかった.医師の説明によると,胆汁が十二指腸から胃に上がってきた後があるが,それは胃の動きが少々悪かったという程度のことで,とくに病気ということではなく,違和感があったのもその程度のことだろうということだった.

考えてみると,正月から「ブラックジャックによろしく」「Dr.コトー診療所」といった,医療を扱ったドラマを見ていたので,心配性になっていたのだろう.「Dr.コトー」の中に,「病気は,先生に.命は,神様に.」という印象的な台詞があった.病気は怖いが,必要なのは心配よりも摂生である.

(04. 2. 2)

[追記]留学生が多いので英語でやっている大学院の講義で,CTスキャナの原理を扱っている.そこで雑談に"My stomach was very beautiful and smooth."といったら,学生にはかなりウケた.しかし,もっと気のきいた表現ができるボキャブラリがないのが残念だ.