ニッポンハムの牛肉買い上げ不正発覚で，スーパーがニッポンハム製品を撤去する動きが先日から広がっている．また，給食で使わないという動きもあるようだ．

以前，雪印牛乳の食中毒事件のときに，雪印製品の撤去があった．しかし，今回はそのときとは問題が違う．別に，ニッポンハム製品の品質に問題があったわけではない．撤去の動きが広がっているのは「けしからん会社だから，懲らしめてやれ」という心理の問題である．

最近，こういう「懲らしめ」の心理による行動が，多く見られるように思う．小泉内閣の一時の絶大な人気など，いままで偉そうにしていた（と思われている）連中を懲らしめて溜飲を下げた，という感じがする．以前のこの記事でも触れたが，大学改革論議も，一部では「大学ざまあみろ」と言っているような意見も見られる．

正常な心理ではあるが，ずいぶん後ろ向きなようにも思う．溜飲を下げるのはいいが，それに気をとられすぎると本質を忘れてしまう．幸い，私の家の近所のスーパー２社は，どちらもニッポンハム製品を撤去しなかった．テレビのニュースによると，撤去したスーパーでも，客の要望により徐々にニッポンハム製品を復活させてきているそうである．

(02. 8. 24)

[05. 5. 1追記] 2004年7月に「三菱車炎上」という記事を書いて，関連の話題に触れました．

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