最近は「馬鹿な若者を見て嗤う日」になってしまった感がある「成人の日」だが,報道のほうが,わざわざそういう若者ばかりを取材して,煽っているようにも思える.
それはそうと,成人の日は,最近いわゆる「ハッピーマンデー」により1月15日から「1月第2月曜日」に変更された.現在では新成人のうち約半分が大学生・短大生だが,実は大学としては,この「1月第2月曜日」は大変困るのだ.
たいていの大学では,冬休み明けの講義は,小中学校と同じく通常1月8日から始まる.今年は1月8日は木曜日だったので,冬休み明けに8日,9日の2日間だけ講義を行ない,土日をはさんで1月12日月曜日が成人の日となった.このため,親元を離れて大学に来ている新成人は,帰省先から大学に2日間だけ戻って来てまた帰省することになってしまった.私の知っている学生の中には,2度の帰省の費用がもったいないために,正月には帰省しなかった人もいた.
成人の日が1月15日なのは,「元日で年をとる『数え年』で年齢を数えていた時代,旧暦元日は新月つまり闇夜で成人の祝いにはふさわしくないので,かわりに次の満月の日すなわち1月15日に元服を行なった」という昔の習慣に由来するそうだ.つまり,新暦では15日という日付にはあまり意味はないわけで,成人の日が最初に「ハッピーマンデー」の対象になったのは,日付の由来にそれほど強い根拠がないから,というのも理由のひとつらしい.
1月15日というのが,本来正月にするべき元服を移動させた日だというのならば,いっそのこと成人の日は正月の続きの1月4日ということにしてはどうだろうか?社会人の正月休みは三が日だけだが,曜日によって4日や5日まで休みになることもあるのだから,三が日が「四が日」になってもさほど問題はないであろう.
これならば帰省も1度で済むし,大学の冬休みにも影響しない.「成人の日」には帰省しにくいため,若者が帰省してくるお盆に成人式を開く土地もあるそうだが,そういう土地でも正月に成人式を開けば問題ないのではないだろうか.
(04. 2. 12)
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