最近，出張のホテルを予約するのには，いつもインターネットのホテル予約サイトを使っている．目的の地域にあるホテルをいろいろ比較して決められるので，大変便利である．ホテルを選ぶのに，場所や値段はもちろん重要だが，それらと同様に私が重視しているのが，「宿泊客の投稿情報」である．

「投稿情報」は，その予約サイトの利用者が，宿泊の感想やホテルへの苦情を書き込み，ホテル側がそれに回答する形になっている．利用者の感想や苦情はもちろん読んで参考にするが，それらが事実だという保証はまったくない．より具体的な内容の感想や苦情のほうが信用できるのは確かだが，もしかしたら誹謗中傷目的で捏造されたものかもしれない．

私がもっとも参考にしているのは，ホテルからの回答である．どのような内容・苦情に対してでも，「木で鼻をくくったような」回答ではなく，具体的に対応策を答えているホテルは，実際に宿泊しても対応がよいと思われるので，宿泊しようという気になる．

重要なのは，利用者の感想や苦情は匿名だが，ホテルの回答は実名であるということだ．いまでは，良い評判も悪い噂も，ネットで一瞬のうちに広まる．そのとき，匿名の利用者の感想や苦情を信用するかどうかは受け取り手の自由だが，ホテルの回答の誠意の有無は，誰から見ても信用できる評価となって世の中に広まる．

ネット時代の今こそ，「誠実さ」の重要性が高まっている．

(02. 8. 20)

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