オリンピックやワールドカップがあり,各国の国旗・国歌を見聞する機会が何度もあった.どの国の国旗・国歌も,それぞれの国で大切に生み育てられてきたものだけあって,それなりに美しいものである.日本のものも,シンプルなデザインの国旗と「世界一短い」といわれる国歌で,「洗練」を重視するわが国らしいものだと思う.
最近,勤め先の大学の創立50周年記念式典に参加したが,その席で私は初めて「君が代」を斉唱した.自分が学校へ通っていたときは,国旗掲揚と演奏はあったが,自分で歌ったことはなかった.まわりの少し年上の先生たちは,小学校や中学校で歌ったと言っていたので,年代や地域によっても違うのかもしれない.
ただ,私は,国旗や国歌というのは,それこそオリンピックやワールドカップのように,「日本代表」がかかわる行事にこそふさわしいものだと思う.学校行事程度のことで国歌を歌うのは,ちょっと「もったいない」のではないだろうか.
長野オリンピックのジャンプ団体の表彰式で,日本代表が金メダルをとって「君が代」が流れたときに,観衆が誰に言われることもなく自然に「君が代」を斉唱していた.ああいう「国歌斉唱」が本来の姿だと思う.
(02. 7. 20)