メールはどちらから「切る」か

子供のころ,電話のマナーとして「会話の最後には,電話をかけたほうから電話を切る」ということを教えられた.電話の仕組みも,かけたほうが切らないと通話は終わらないようになっている.

では,電子メールの場合はどうだろうか.電子メールは,手間をかけずに瞬時に届くという点では電話と同じであるが,届くと同時に読んだり返事を書いたりする必要はないという点では手紙と同じである.だから,手紙にくらべると,短い期間に何度もやりとりし,時間差をおいた「会話」のようになることがよくある.この場合,メールを最後に発信するのは,最初にメールを送ったほうであるべきだろうか?

私は,学会等で会って名刺をもらった人には,後でメールを送るようにしている.名刺を交換しても,それだけではその場限りになってしまうことも多いが,メールを送ると相手方のパソコンに自分が登録されることになるからだ.それに対して返信をくださる方も多いが,その返信に対しては,はじめはそれ以上返信はしないでいた.しかし,それでは相手からすると「勝手にメールを送ってきておいて,返事したのに無視するのか」と不快感を感じるのではないかと思い,最近は「返信の返信」をするようにしている.

しかし,「返信の返信」の内容をあまりいろいろ書くと,相手から「返信の返信の返信」が届いてしまって,やりとりを終えるタイミングを失ってしまう.相手に返信の気遣いをさせないように,しかしそっけなくない「返信の返信」を書くのは,案外むずかしい.

(02. 7. 15)