人のブランド

私は,「言語」という言語学の雑誌を愛読している.これは,一部専門家向けの記事もあるが,概ね専門家以外の読者に言語学研究を解説している雑誌である.

この雑誌について,私はひとつ大変気に入っていたことがあった.それは,各記事の筆者の紹介には名前の読み方と「国語学」「英文学」といった専攻しか書かれておらず,所属や経歴が書かれていなかったことである.確かに,筆者の所属によって記事の価値が変わるわけではない.筆者が有名大教授だろうが無職だろうが関係なく,内容が大事なはずである.

ところが,最近になって,「言語」誌の記事に筆者の所属が書かれるようになってしまった.大変残念である.結局,ブランドが物を言うということだろうか.

(02. 2. 17)