「歴史教科書問題」の発端となった扶桑社版の歴史教科書は,「日本という国に誇りをもてる教育をしよう」という考えで作られたそうである.
しかし,自分の子供時代を振り返ると,日本に誇りを持てる教育はけっこうされてきたように思う.子供のころ毎月読んでいた,学研の「○年の科学・学習」に,よく小さな冊子の付録がついてきた.その中に,日本の産業や技術を紹介するものがよくあった.例えば,遠洋漁業や捕鯨船団,新幹線建設,巨大タンカー建造と海運,高生産性の農業などである.これらを読んで,子供心に「日本ってすごいな」と思った記憶がある.
戦前戦中の日本については評価が分かれるだろうが,とりあえず敗戦という大失敗をしたことは間違いない.それよりも,ある意味確かに成功した,戦後の産業の発展について教えるほうが,子供に誇りを持たせられるのではないだろうか.
今の子供は,こういう話は読んだり学んだりしないのだろうか.ならば,「プロジェクトX」でも見てもらうことにしよう.
(02. 2. 5)