小学校乱入殺傷事件

まったく他人事ではない.

この事件についての報道で,小学校の敷地・建物に誰でも入れることの危険性を指摘する声が多かった.だが,大学はもっと「誰でも入れる」ところである.

最近の,郊外にある総合大学は,各学部の建物が広い敷地に点在しているところが多い.私の勤めている広島大学も非常に広く,そのため敷地を囲む塀などないし,それどころか敷地内を公道が通っている.最近までは入り口の入構規制もなかった.自動車については,最近ゲートができて,入構許可カードを職員・学生に発行して制限しているが,二輪車や徒歩での入構は依然フリーパスである.

さらに,小学校では児童は朝一斉に登校し,明るいうちに下校するが,大学はいろいろな時間に来る人がいて,いろいろな時間に帰る人がいる.夜中だって実験したり研究している人がいるから,常に人が出入りしているので,不審者が入ってくるのを阻止するのは難しい.夜は警備会社の車が学内を巡回しているが,広いキャンパスをカバーしきれるものではない.

講義中に殺人犯が乱入してきたら,講師の私が戦わなければならないのだろうか.私は体は大きいが,武道の心得があるわけでもなく,喧嘩には自信はない.小学校で犯人を取り押さえた先生方には,全く敬服する.

(01. 7. 6)