大学生は勉強しなくてもよいのか

毎年春になると,人気企業の説明会に行列している学生がニュースで流れる.しかし,行列している学生たちは大学4年生のはずなのに,なぜ大学に行って勉強していないのだろうか.それをおかしいという人は,不思議なことにあまりいない.

コンビニエンスストアには,学生バイトがたくさんいる.ところが,深夜の時間帯にも学生バイトを雇っている店がたくさんある.昼間の学業の障害になるとは思わないのだろうか.

私のいる学部の教員がある会社の人事部で聞いたことによれば,「文系の学生については,人間性を重視して採用する.学業成績は,アルバイトの経験程度にしか考慮しない」ということだそうである.


よく,「日本の大学生は勉強しない」といわれている.講義に魅力がない,という意見も出ている.しかし,まず改めなければならないのは,上のような「大学生は勉強していなくて当たり前」という世間の認識ではないのか.

とくに,実社会においてもっとも有用な人材を育てているはずの法学部や経済学部の学生が,同様な人材を育てている工学部の学生よりも,ずっと楽をしていて当然と思われている風潮は,どう考えてもおかしい.

(01. 5. 10)