アンナ・ウイルス

先日,コンピュータウイルスが初めて私のメールアドレスに届いた.AnnaKournikova.jpg.vbsという添付ファイルがついている,いわゆる「アンナ・ウイルス」だ.2,3日の間に世界中に蔓延したが,オランダ人の作者は警察に自首したらしい.私に届いたウイルスの発信元は,以前通信販売で買い物をしたアメリカの酒屋さんだった.顧客名簿の全員にウイルスを撒き散らしてしまったのだろうか.

新聞記事などのメディアでも,よくコンピュータウイルスの問題が報じられている.これらの記事で気になるのは,単に「ウイルスは怖い怖い」と煽るだけのものが多いことだ.ウイルスはどんなときに怖いのか,どんな仕組みで感染し,どんな仕組みで蔓延するのかを,なぜ説明しないのか.

ご存じの方にとっては当たり前の話だが,メールで感染するウイルスは,添付ファイルを開くとウィンドウズのスクリプト(ウィンドウズでの操作を自動実行するプログラム)が起動するようになっている.このスクリプトが,メーラーのOutlook Expressが用いるアドレス帳を読み出して,ウイルスの複製を,そこに載っているアドレスにOutlook Expressを使って勝手に送信する.

そのことだけでも説明してくれれば,この種のウイルスが怖いのは,ウィンドウズでOutlook Expressを使っている場合だけなのは明らかである.また,なぜ添付ファイルを開いてはいけないのかも,説明されればよくわかる.それなのに,「とにかく危険だ,とにかく添付ファイルを開いてはいけない」とやみくもに不安を煽るのはおかしい.

私は,アンナ・ウイルスをMacintoshで使っているARENAというメーラーで開いた.そこでは,アンナ・ウイルスなどただのテキストファイルである.

(01. 2. 16)

[追記]私に届いたウイルスの発信者の名前は「Melissa」であった.そういえばMelissaという名前のウイルスもあった.酒屋さんの担当者の名前が偶然Melissaさんだったのだろうが,ちょっとできすぎだ.