先日NHK-BSで,アメリカ映画「ローラーボール」(1975年)を見た.国家も戦争も貧困もない,「企業」が支配する2018年の管理社会.そこでは「ローラーボール」という殺人ゲームが行われていた・・・というストーリーはひとまずおいておく.この中で,主人公の所属する「ヒューストン・チーム」が,東京で「東京チーム」と試合をする場面がある.その中の日本人の描写は,ひどいものである.もっとも映画の中では,「日本」という国家はなくなっているのだが.
ローラースケートリンクで「人殺し有り」のボールゲームをするというのに,東京チームには眼鏡をかけた選手が何人もいる.病院のシーンの日本語の案内標識は手書きだし,試合場のゴールポストにも下手な手書きのカタカナで「ゴール」と書いてある.日本人男性の医師は,両手を前で合わせて深々とお辞儀をし,やたらに作り笑いをする.主人公のチームメイトは「東京はチビばかりだからな」と2度も口にする.
東京チームを応援している観衆は,全員がそろって両腕を交互に前に突き出すしぐさの応援をしている.日本人は画一的で没個性と言いたいんだろう.しかし,これはまさしく「パラパラ」ではないのか?これは,笑えない.
このころのアメリカ人の日本に対する認識は,こんなものだったのだろう.このころにくらべれば,今の日本は,ポケモンなどにとどまらず,はるかに世界で有名になっているのではないだろうか.昨今何かと自信を失いがちな日本だが,そう卑下することもないと思う.
ところで,日本人の観衆は,全員黒髪だった.日本人の髪が色とりどりになるのは予想外だったようだ.もっとも,あと17年あるから,そのときには茶髪がはやらなくなっているかもしれないが.
(01. 2. 14)
[追記]今年夏に,「ローラーボール」のリメイク版が公開される.東京チームは出てくるだろうか.
[01. 8. 17追記] 「ローラーボール」のリメイク版の(米国での)公開は,2002年2月に延期されたらしい.