"How are you?" "I'm fine, thank you. And you?"という会話例は,中学校で英語を習うと早い段階に出てくる.森首相がクリントン大統領に,"How are you?"というのを間違えて"Who are you?"と言った,という噂もあったが,それが笑い話として流布するのも,この会話例を皆覚えているからだろう.
しかし,外国人と毎朝挨拶を交わさなければならない事態になると,毎朝毎朝「具合はどう?」と聞かれるのがうっとうしくなってくる.なんで毎朝,自分の健康状態を報告しなければならんのだ,具合がいいか悪いかなど大きなお世話だ−と言いたくなるが,そうはっきり言う勇気もない.それに,中学校で習ったあの会話例のせいで,つい"Fine, thank you."などと言ってしまう.そのために,外国人に"You are always fine."と言われたこともある.
この夏休みにベラルーシの研究者が大学に来ていた時,彼に「日本には,毎日会う人に毎朝健康状態を報告する習慣はありません.あなたがたは,毎朝"How are you?"と聞かれて(ロシア語にも似たような表現がある),何を答えるのですか?」と聞いてみた.でも,彼にはあまりよくわからなかったようで,「何って,正直に具合を言えばいいのですよ」と言っていた.
そんなことを考えていたら,ある本で「アメリカ留学中に,陰で"Mr. Fine"というあだ名をつけられていた」という話を読んだ.中学校時代の刷り込みのせいで,同じような経験をしている日本人は多そうである.
(01. 2. 1)
[03. 1. 5追記] 「もったいない国アメリカ」というサイトの「ハワユーの謎の巻」という記事に,How are you?についての面白い話が出ています.