新幹線の整列乗車

私は,毎日岡山〜東広島間を新幹線で通勤している.広島以東の山陽新幹線のこだま号は6両編成で,4号車のみ指定席,あとは自由席である.

私は朝はいつも5号車の4号車よりの出入口から乗車する.こだま号は短距離客がほとんどだから,指定席に乗る人は(団体を別にすれば)非常に少なく,岡山駅で4号車から降りてくる客はほとんどいない.

それをいいことに,5号車に乗ろうとする客がまだ乗客が降りてくるのを整列して待っているにもかかわらず,先に降車が終わった4号車の出入り口から列車内の通路を使って5号車に先に入り込む人がいる.

山陽新幹線のこだま号はいつも空いていて,少々先に乗ろうが後に乗ろうが結局必ず着席できる.だから,このような行為に対して不満を言う人はあまりいないようだ.また,混雑時のひかり号の場合は,自由席車と指定席車の間の位置のホーム上に駅員が立って,指定席車の入り口から自由席車へ乗り込もうとする客を制止している.

しかし,いくら実害はなくても,毎朝このような行為を見ていて気持ちのいいものではない.たとえば,岡山,広島あたりの大きな駅に着く前には車掌が4号車と5号車の間の通路に柵を立てる,などの対策がとれないのだろうか.JR西日本のアンケートがある時には必ずこれを書いているのだが,現在のところ反応はない.

モラルの低下を嘆く声が最近よく聞かれるが,モラルに依存したシステムはモラルの低い人間には無力で,その結果正義が実現されなくなる.物理的に不正ができないようにするか,不正をした人間に不利益を与えるのが,正しいシステムだと思う.

(01. 1. 25)

[2006. 1. 23追記] 「『先に手を出したほうが悪い』」という記事もご参照ください.