2月24, 25日に東京に出張した.24日はずっと雨で,午後3時ごろからは雪になった.あちこちの訪問先を回らなければならないときには,雨はうっとうしい.
大阪にいたころ,雨の日が続くと「雨なんか,琵琶湖の上だけ降ったらええんや」という冗談をよく聞いた.もちろんそんなわけにはいかないが,ふつうの都市の構造というのは,水源地の上に降った雨を大量に使って,都市自身に降った水は一生懸命捨てている.あたかも「雨は琵琶湖の上しか降らない」つもりでいるようである.
その点,私が以前住んでいた福岡市は,水源に乏しく何度も渇水にあったため,都市自身で水を有効利用する方策が進んでいる.例えば,ビルに降った水を蓄えてビル自身で使う施設や,水を循環させて使う「中水道」が整備されている.複合商業施設「キャナルシティ博多」には噴水があるが,水道の水は一滴も使っていないそうだ.
さっきは雨に「うっとうしい」などと文句をいったが,わが国が「瑞穂の国」でいられるのも,豊かな雨のおかげである.「お天道様」に感謝し,日の出を拝むというのはよくあるが,雨にも同じくらい感謝しよう.
(03. 3. 6)