2年以上前のことだが,アサヒ・コムにある永井明氏の「メディカル漂流記」という連載に,「お好み焼きは偉いのか」という記事が出ていた.現在も残っているので1),まずは読んでみていただきたい(ここをクリック).本文から引用すると,「うちの店でお好み焼きを食べたいのなら、三、四十分待つのは当たり前」という態度の店の話である.
ところで,私がまだ大阪にいたころ,箕面市のあるうどん店に,友人たちと行ったときのこと.それぞれ注文すると,厨房のほうから「時間かかるよ」という声がしたので,私が「別にかまいませんよ」というと,店の料理人はいきなり「こっちが困るんだよ!」と怒り出した.その後も厨房でぶつぶつと文句を言いつづけ,「こっちにも客を選ぶ権利がある」とまで言っていた.
もう10年以上前の話だが,いまだに思い出して腹が立つことがあるくらい,不愉快な体験であった.品書きに書いてあるものを頼んで,何が悪いのだ.店の都合で品書きに書いてあるものが作れないのなら,店の方が謝ってしかるべきだ.その店のうどんは美味しかったので,何度か行っていたが,それ以来行かなくなった.
さて,今住んでいる家の近所に,値段も張るが大変美味しい焼肉店がある.韓国風のサービスなのか,焼肉だけを頼むと,スープやらなんやらがいろいろ出てくる.それは別にかまわないしスープも美味しかったが,ネットでこの店の別の支店の情報が出ていたのを見ると,「最後に出てくるスープを残すと怒られることがあるので注意」と書いてあった.それを見て,この店に行く気がなくなった.何で怒られなければならないのか.何を食べようが勝手ではないか.
接客態度も味のうちである.飲食店に限らず,私は「売り方」というソフトウェアも値段のうちだと思っている.家の近所にある別の焼肉店は,ファミリーレストランのような店構えの,よくあるふつうのチェーン店だが,接客態度が大変気持ちよいので,ひいきにしている.
(02. 11. 28)
[2004. 1. 20追記] 1) 以前こう書いていましたが,現在はなくなっているようです.また,著者の永井氏は昨年亡くなられました.