私は，「アジア」という言い方が好きでない．

「アジア」とは，本来は現在のトルコの中のある地域をさす名前だそうである．それが，その地域から東側，太平洋まですべてを含む地域の名前になってしまったのは，要するにヨーロッパ世界の人間にとっては「『アジア』から向こうは全部『異世界』」であるからだ．そのような経緯でついた名前なのにもかかわらず，われわれが自分たちのことを「アジア人」などと自称するのはおかしいのではないだろうか．

自分たちの世界をあらわすのに，私が好きなのは「東洋」だ．「西洋」と対等，あるいはそれ以上の世界という感じがする．ところが，最近「東洋一」とか「東洋チャンピオン」という言い方をあまりしなくなったように思う．なぜだろうか．

(01. 12. 18)

［追記］自分たちを「黄色人種」というのも，蔑称を自分たちで呼んでいるような気がしてヘンだ．私は「東洋人」(Oriental)というようにしている．

---