偽日本人

私は,西洋人からみると,どうも日本人には見えないことが多いらしい.

シドニーの空港で,税関でものすごく厳重に調べられたことがある.荷物を全部あけられ,矢継ぎ早にいろいろの質問をされた.このときは,在フィンランド日本大使館発行のパスポートを持って,シンガポールから到着したのも原因のようだった.ロンドンでも,空港行き電車で乗り合わせた人に「行き先はシンガポールですか?」と聞かれたことがあった(シンガポール人ならもっと英語がうまいと思うが).他の日本人に日本語で話し掛けている西洋人が,私には英語で話し掛けるというのもしょっちゅうである.

西洋人からみて日本人に見えないのは,色が黒く,目が大きく,背が高いことが原因のようである.そんなの西洋人の勝手な先入観だと思うのだが.

ところが不思議なのは,中国人が,私をよく中国人と間違えることである.日本で開かれたある国際学会で聴講席に座っていたら,中国人の講演者に,英語での質問を中国語に訳してくれと言われたことさえある.もっともそのときは,その質問をした日本人の先生も,私のことを中国人と思っていたらしい.その先生いわく,「大人(たいじん)の風格があるからでしょう」−ほめられているのかどうか.とりあえず,体格は最近あまり大人ではなくなった.

私はこんな顔である.みなさんどう思われますか.

(01. 12. 18)