酒と牛乳

私は酒がまったく飲めない.だから,ノンアルコールビールなどを集めた「脱アルコール酒の楽しみ」というページを作ったりしている.

それなりの地位を得た今となっては,酒を無理強いされることはなくなったが,学生のころなどは嫌な思いをすることも多かった.「お酒が飲めないなら,せめてビールの一杯くらい」などといって飲酒を強いる人はよくいた.アセトアルデヒドをうまく分解できないために一滴も酒が飲めない人間がいる,ということを知らない人は,けっこういるように思う.

ところで,牛乳を飲むとおなかを壊すという人がいる.それは,カゼインを分解する酵素が少ないのが理由だから,訓練をしてどうなるものでもない.しかし,子供のころ,学校の給食では毎日牛乳が出たし,それを飲まないと責められた.牛乳でおなかを壊す子は,毎日おなかを壊してでも飲まなければならなかった.

このような教育はまったく理不尽だと思われるだろう.それを考えれば,酒が飲めないのも酵素の問題で,訓練でどうなるものでもないのだから,無理強いするのは理不尽なのはわかっていただけないだろうか.

そもそも,酒を無理強いする人は,なぜ目の前の人間が酒を飲まないのを不愉快に思うのだろう.私は酒を飲まないが,目の前で酒を飲まれても,その人がからんで来ない限り不愉快には感じないが.

(01. 3. 5)