勤め先の電話には,「税金対策にマンションを買いませんか」とか「お得な金融商品が...」とか,勧誘の電話がほとんど毎日のようにかかってくる.最近は電子メールが普及して,電話は内線・外線ともあまり使わなくなってきているから,かかってくる電話の半数以上はこの勧誘電話である.
以前はそれなりに応対して,「けっこうです」とか「要りません」とか言って断っていたが,最近はうっとうしいので,勧誘の電話だとわかったら,何も言わずに電話を切ってしまう.同僚の中には,勧誘の電話だとわかったら,受話器を机の上に置いて,相手があきらめて切るまで放っておくという人もいる.「短い時間で電話を切ったら,業者はまたすぐに他の人に電話するだろう.そうすると迷惑電話を受ける人が増える」という理由だそうである.
私は広島大学というところに勤めているが,最近は勧誘の台詞に「広島大学の先生方もたくさんの方がなさっている税金対策が...」などというのが増えてきた.その真偽は知らないが,大学の先生に,税金対策をするほど金が余っている人がそう多いとは思えない.大学の名簿など使わずに,もっと金のありそうな人の名簿を使えばどうだろうか.
と,そう思っていたら,週刊朝日に「東京六大学の経済学教授が,先物取引で大損」という記事が出ていた.その記事によると,この先生は勧誘電話に応じて取引を始めたそうだ.経済学の先生なのに「業者は先物取引がハイリスク・ハイリターンだという説明はしなかった」などと不満を言っているのも困ったものだが,それ以上に,勧誘電話に応じる大学教員もいるのだということにあらためて驚いた.しかし考えてみれば,成功の見込みがあるからこそ,業者は大学教員の名簿を見て片っ端から電話をしているのだから,そういう人がいるのも当然といえば当然だ.
営業社員の方々はご苦労なことである.申し訳ないが,私のところには,金は余っていない.
(01. 1. 29)
リンクしていただきました
- ひとりごと((2003/3/7)「マンション経営に興味はありませんか?」(再々))(高知女子大・一色健司教授 一色健司のPrivate Room)